「今もいったように、兄貴とは縁を切ったんだ」
「それはよくわかった。間違ったことだとも思わない。でもそれは物理的なことだろ。精神的にはどうなんだよ。すっきりしているわけじゃないんだろ」
寺尾の言葉は細い針で刺すように直貴の心の中心を刺激した。それでも彼は唇を結んだまま首を振った。
「今もいったように、兄貴とは縁を切ったんだ」
「それはよくわかった。間違ったことだとも思わない。でもそれは物理的なことだろ。精神的にはどうなんだよ。すっきりしているわけじゃないんだろ」
寺尾の言葉は細い針で刺すように直貴の心の中心を刺激した。それでも彼は唇を結んだまま首を振った。