「なあ、学人」
「なあにい」学人が、パッと、顔を上げる。
「運動会で、たとえば応援団長とかさ、ちょっと目立つことしてみたいなー、とか、思わないか? ほら、いっつも学人はみんなの後ろのほうに隠れてるだろ?」
幸次郎を見上げる学人の目に、さっと、影のようなものが宿る。
「応援団長じゃなくても、たとえばリレーの選手とかなんでもいいんだけどさ。その絵本の中のライオンさんみたいに、みんなの前で活躍、みたいな」
「やだ」
学人は、すぐに、絵本のほうに視線を戻してしまった。
「なあ、学人」
「なあにい」学人が、パッと、顔を上げる。
「運動会で、たとえば応援団長とかさ、ちょっと目立つことしてみたいなー、とか、思わないか? ほら、いっつも学人はみんなの後ろのほうに隠れてるだろ?」
幸次郎を見上げる学人の目に、さっと、影のようなものが宿る。
「応援団長じゃなくても、たとえばリレーの選手とかなんでもいいんだけどさ。その絵本の中のライオンさんみたいに、みんなの前で活躍、みたいな」
「やだ」
学人は、すぐに、絵本のほうに視線を戻してしまった。