真紅の夕陽が燃えたつように膨らんで

　西の空に、オレンジ色の濃淡が広がり、真紅の夕陽が燃えたつように膨らんで四方を紅く染めたかと思うと、黄金色の光を放った。何一つ遮るもののない地平線へ黄金の光の矢を放ちつつ沈むアフリカの夕陽は、荘厳さと凄じい力に満ちていた。

山崎豊子さんの

沈まぬ太陽　アフリカ篇　下より

沈まぬ太陽（2（アフリカ篇・下））

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山崎豊子 新潮社 2001年12月

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