昭和の未解決事件、グリコ森永事件をモデルにした物語です。
ドキュメントのような迫力があり、フィクションなのか、ノンフィクションなのかわからなくなる感覚でした。
グリコ森永事件をリアルに知る世代にとっては、特に面白いと思います。
グリコ森永事件について、一度調べてみたくなりました。
あらすじ
テーラーを営む曽根俊也は、父の遺品からノートとカセットテープを見つける。
ノートは英語で書かれ内容がわからなかったが、カセットテープには子供の声が入っていた。
内容は「ギン萬事件」の犯人グループが子供を使って身代金の受け渡しを指示するという恐ろしいものだった。
俊也はなぜ、こんなものがあるのかと驚いたが、それ以上に驚いたのは、その声が自分の幼い頃の声だったことだ。
「ギン萬事件」は関西中心に起こったキツネ目の男の犯人グループが大手食品メーカー社長誘拐や恐喝をする一連の事件だ。
父がこの事件に関わっているのか、カセットテープに残る自分の声が犯罪に使われたのか、俊也は、それを調べることにした。
阿久津英士は大日新聞の記者。未解決事件の特集で「ギン萬事件」を担当になり、事件について調べ始める。
最初の頃は取材は空振りが続き前に進まなかったが、ひとつのネタから繋がって、当時の写真や音声を手にいれる。
そして、曽根俊也と阿久津英士が繋がった時、展開は大きく動き出す。