手紙 (文春文庫) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon しかし直貴は答えられなかった。唇を噛み、孝文を睨みつけていた。 「誰だい、それ」孝文は直貴の視線をはねのけて訊いてきた。「武島、と名字が一緒だということは、かなり近い親戚と考えていいのかな。あ…

手紙 (文春文庫) 作者:東野 圭吾 文藝春秋 Amazon 「そうか……俺が自分から辞めるといい出せばいいわけだ。適当な理由をつけてバンドを抜けるといえば、寺尾は怪しまない」 「すまん、そういうことなんだ」 コータの言葉に、他の二人もさらに深く頭を下げた。…

ブランドものの化粧品コーナーには、きっちりメイクをした綺麗なお姉さんが、マネキンのように立って硬質な笑顔を振りまいている。 坂木司の和菓子のアンより

冷めた声の表現 ほうほう。職人気質だから気難しいんだろうか。 「とはいけ彼は接客も上手でね、彼のお勧めでしか買わないってお客様もいらっしゃるくらいなのよ」 「そうなんですかあ」 いかん。どうしても声が無表情になってしまう。 坂木司の和菓子のアン…