おすすめ度 3.8
ミステリーの要素とヒューマンの要素をもつ作品。最初はクスノキの謎が気になり、ドンドン読み進んでいきます。そして、後半はクスノキの力により救われる人、千舟の玲斗や玲斗の母親への想いなど、家族や親族への愛情に心打たれます。
おすすめ度4にしなかったのは、後半の盛り上がりが今一つなかったかなといったところです。
あらすじ
職場を解雇され、その腹いせに罪を犯し逮捕されてしまった直井玲斗。 起訴を待つ身となってしまった玲斗のもとに突然弁護士が現れる。
弁護士は、依頼人の命令を聞くなら釈放してくれるという話をもちかけてきた。 玲斗は依頼人に心当たりはないが、従うことにした。
釈放された玲斗は依頼人の待つ場所へ向かうと、千舟と名乗る年配の女性が待っていた。千舟は玲斗の亡くなった母親の腹違いの姉だという。
千舟はヤナッツ・コーポレーションの会長を務めている女帝だった。玲斗の母親とは全く違う人生を歩んでいた。玲斗の母親は不倫でできた玲斗を女手一人で育て若くして亡くなった。
これまであまり褒められた生き方をせず、将来の展望もなかった玲斗に千舟が命じたのは、クスノキの番人だった。
そのクスノキには不思議な力があり、新月と満月の日に祈念すると願いが叶うという。
クスノキの力はただの迷信だと思っていた玲斗だが、番人を続けるうちに、クスノキの本当の力を知ることになる。
クスノキの力は玲斗の想像をこえるもので、その力によって多くの人が救われていく。