なげやりになった男が女性を抱く表現をおすすめ小説から学ぶ
沖野は彼女の腕を引っ張り、その身体を荒々しく抱き寄せた。ボタンを引きちぎるようにしてブラウスをはだけ、折れそうなほどに細い腰に手を回して、激しく唇を合わせる。タイトスカートをまさぐって柔らかい尻をつかみ、のけ反った首筋にまた、唇を押し当てる。
沙穂の腕が首に巻きつき、沖野は耳もとで甘い吐息を聞いた。
恐怖心が消えていく。
腕の中で躍る彼女に呼応するようにして、沖野の身体に隠れていた力が湧き出てくる。
俺はできると思えてくる。
検事を辞められる。
沖野は沙穂をベッドに倒し、彼女の上に覆いかぶさった。目尻に浮いた涙が彼女の髪に吸い取られていく。
すべてを包みこむようにして、沙穂が下から沖野を抱きしめた。