人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

記憶の表現をおすすめ小説から学ぶ

子供の頃に作ったカサブタがまだしっかりと残っている

彼らの言葉はまやかしや脅しではなく、本当だったのだ。心の中には、子供の頃に作ったカサブタがまだしっかりと残っている。無理に剥がそうとすると、血が出そうだ。 小川糸さんのつるかめ助産院より

思い浮かぶ限りの作り話で、油絵の具を塗りたくるように、塗り潰して

記憶を誤魔化す時の表現 一歩進むだけで満身創痍で、あまりの過酷さゆえに、振り返ってもその道の記憶はほとんどなく、仕方なく、思い浮かぶ限りの作り話で、油絵の具を塗りたくるように、塗り潰して、誤魔化しているのではないか。 伊坂幸太郎さんのバイバ…

写真を現像するようにじっくり時間をかけて甦ってくる

だんだん記憶が甦る表現 だんだん、忘れかけていたふるさとの地図が、写真を現像するようにじっくり時間をかけて甦ってくる。頭の中にある昔の地図のその上に、新しく建った家や新しくできたお店を追加する。 小川糸さんの食堂かたつむりより

色鉛筆で描いた風景画を上から消ゴムで消したみたいに、全体的に白っぽく色褪せていた

久々に帰ってきて見る寂れた故郷の風景の表現 すっかり寂れた駅前のロータリーで深夜高速バスから降りる。 家を出たのがつい昨日のことだったような気がしそうなほど、風景は少しも変わっていない。ただ色彩だけが、色鉛筆で描いた風景画を上から消ゴムで消…

頭の中をちらちらと行ったり来たりして離れなかった。

忘れられない思い出の表現 ぬか床の壺をかき混ぜる祖母の、青い血管の浮き出た真っ白い手。必死ですり鉢をすっている、丸く小さな背中。味見の時、手のひらにちょこんとのせて口に含むかわいい横顔。 そういう記憶が、いつも私の頭の中をちらちらと行ったり…

祖母と過ごした日向ぼっこのような毎日が、ふわふわと泡のように甦った

のんびり幸せな頃の記憶の表現 私は一晩中ドーナツを食べ続けた。生地の中にケシの実を入れ、シナモンと黒砂糖をまぶした優しい味を、私は一生忘れないだろう。 胡麻油でふんわり揚げた一口サイズのそれを口に入れて頬張るたび、祖母と過ごした日向ぼっこの…

木枯らしに舞う枯れ葉のように脳裏を駆け巡った

さようなら。 私は心の中で手を振った。 目を閉じると、これまでの出来事が、木枯らしに舞う枯れ葉のように脳裏を駆け巡った。 小川糸さんの食堂かたつむりより

心の中でメモを取る

忘れないようにする表現 そうか、後ろだった。確かに中華街の旧正月って、年が明けた後にやってきた気がする。今月のお菓子を追いかけるだけで精一杯の私は、心の中でメモを取る。 坂木司の和菓子のアンより

その言葉は妙に薄気味悪いとげのような引っかかりを残して、沖野の意識の片隅に漂着した

意識に残る表現をおすすめ小説から学ぶ 松倉の真剣そのものとも言っていい眼差しに当たり、その言葉は妙に薄気味悪いとげのような引っかかりを残して、沖野の意識の片隅に漂着した。 雫井脩介さんの検察側の罪人より

記憶の扉はかたかたと振動している

松倉重生。六十三歳。 その名前が引っかかった。 どこかで見憶えのある名前に違いない。 何かの事件で関わった男だろうか。 前科は記されていない。 しかし、最上の中の記憶の扉はかたかたと振動している。そんな感覚がある。なかなかうまく開いてくれないが…