2022-04-23から1日間の記事一覧
顔立ちもひどく貧相で、絶えず人やモノを値踏みしているような視線は老獪さよりは小狡さを連想させる。高齢であることは分かっていたが、これほど胡散臭そうな人物とは予想もしていなかった。 中山七里さんの死にゆく者の祈りより
四階で降りると、フロアの薄暗さに戸惑った。共有スペースのメンテナンスが充分なされていないのか、廊下を照らす蛍光灯は明滅を繰り返して今にも切れそうだ。 中山七里さんの死にゆく者の祈りより
余命10年 (文芸社文庫NEO) 作者:小坂 流加 文芸社 Amazon 命が恋しくて、時間がいとおしくてたまらない。 愛する人と別れることが死だと思った。 けれど、いとおしいと思えた自分と別れることもしなんだよね。こんなことならもっと自分を大切にすればよかっ…