人生も後半戦! これから先も楽しもう!

人生も後半戦になったら、これまでの生き方に後悔することもあります。しかし、後悔しても仕方ない。この先楽しく生きるためにいろんなことに挑戦

ルーズベルト・ゲーム 池井戸潤 おすすめ小説

おすすめ度 4.0

野球で一番おもしろいスコアは8対7。

フランクリン・ルーズベルト大統領がそう言ったといわれるもので、ルーズベルト・ゲームと呼ばれる。

 

トーナメントの一回戦でライバルであるミツワ電器に大敗、最悪の形でシーズンを締めくくった青島制作所野球部。

新たなシーズンは激動の幕開けになった。公式戦を控えた二月に、ベテラン監督の村野から辞表が届いた。村野のは単なる辞任ではなく、ミツワ電器の監督に就任するための青島製作所辞任だった。

しかも、村野は、エースと四番を青島製作所から引き抜き、ミツワ電器に入部させたのだ。青島製作所野球部は大きく戦力ダウンになった。

それからも青島制作所野球部のピンチは続いた。

青島制作所の業績が思わしくなく、従業員のリストラが進められるなか、野球部を廃部にすべきだとの意見も出てきていた。

野球部を廃部にすれば年間三億円の維持費が削減できる。従業員のリストラをする前にそこを削減しろという声は多い。

創業社長で野球部に愛情を注いだ青島が会長に退き、野球部に思い入れのない細川が社長の座にあるだけに、廃部は免れない状況だった。

野球部部長で総務部部長の三上は野球部を守ろうと奔走する。

社長の細川は青島制作所を守ろうと奮闘する。

野球部を残すためには、現在の成績では厳しい。どうしても強いチームにしなければならない。新しく就任した野球部監督は、高校野球の監督経験しかない大道だった。監督としては未知数の男が野球部をどう変えていくのか。ここからの大逆転はあるのか。

選手たちは野球部が廃部になれば、解雇される。そんな不安な精神状態のなか、勝たなければならない。

そして、最後になるかもしれないリーグ戦がはじまる。

 

青島制作所社長の細川は、経営不振の上、取引先から厳しい条件を突きつけら、銀行からは追加のリストラ案を迫られる。

細川は青島制作所の強みである技術力を信じて最後の勝負に出る。

 

ハラハラ、ドキドキのまさにルーズベルト・ゲーム。

感動の一冊でした。