音の表現、描写
がらんがらん、と古びた鈴にふさわしい濁った音が聞こえてきた。 東野圭吾さんのクスノキの番人より
一度だけ銃声のようなボオンという音が遠くの方で聞こえたが、こちらは何枚かフィルターをとおしたみたいに小さくくぐもった音だった。 村上春樹さんのノルウェイの森より
ビルの前でぼんやりと立っていると、クラクションの乾いた音がした。慎介は音のしたほうに顔を向けた。濃紺のBMWが道路沿いに止まっている。 東野圭吾さんのダイイング・アイより
瑞穂は席を立った。膝の間接が小さく鳴った。 横山秀夫さんの顔(FACE)より
緊張した空気を電話のベルが割った。南が受話器をすくう。 「広報官 刑事部長がお呼びです」 横山秀夫さんの顔(FACE)より
コンコン、と几帳面なノックの音がした。ぎくりとして、ティムは顔を上げた。ドアに近づいて、のぞき窓にそっと目を当てる。廊下に立っていたのは、織江だった。 原田マハさんの楽園のカンヴァスより
店内に入った瞬間、胃に響く不快な震動があった。大音量の音楽が店内に響き渡っている。 薬丸岳さんの死命より