その様子を見守っていた人生は、ほんの一瞬、ぐっと息を詰めた。それから、胸に抱いていた小鳥を放つように、思い切って言った。 「……おれが、いるだろ」 原田マハさんの生きるぼくらより
九月の初め。蓼科の空には、すでに秋の気配が漂っている。 暑かった夏の熱気を洗い流すように、青一色の中空をうろこ雲が横切っていく。その空を背景に、八ヶ岳の峰々が青くかすんでそびえ立っている。 原田マハさんの生きるぼくらより
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