2020-05-07 長年背負っていた重荷を下ろしたかのように机の椅子に体を埋めた 病、疲労、苦痛の表現、描写をおすすめ小説から学ぶ 和光監査役は、自室に戻って来ると、長年背負っていた重荷を下ろしたかのように机の椅子に体を埋めた。 監査役は就任以来、五年間、会社の業務や財務を監査し、経営上の諸問題や財務体質の脆弱さを、経営会議などで重要問題として取り上げても、国見会長のような反応はなく、ずるずると今日まで至っていたのだった。今は、監査役の責務を全うすべく、心を決めてたち上がり、会社の最高責任者に報告した充足感と、決心に至るまでの心の疲れが体を占めている。 山崎豊子さんの 沈まぬ太陽 会長室篇 下より 【中古】 沈まぬ太陽 5(会長室篇・下) / 山崎 豊子 / 新潮社 [単行本]【宅配便出荷】posted with カエレバ楽天市場AmazonYahooショッピング7netWowma