ドアを出る前に「光代姉さん」は振り返り、威嚇するように白い歯を剥き出した。晶穂の方は歯を見せて笑っている。とういうわけか、似たような表情に思えた。 ビブリア古書堂の事件手帖2より

正座の表現 とにかく僕は冬の休日に、カーペットに膝をつき、脛をつき、正座の体勢で、ほとんど土下座の準備段階という姿だった。夕方の四時過ぎではあるが、日はまだ残っている。 伊坂幸太郎さんのバイバイ、ブラックバードより

肩に伸びてきた手を反射的に払いのけた。 「なんやねん。こら」 相手の語尾が跳ね上がるのと、胸倉を掴まれるのが同時だった。 中山七里さんの贖罪の奏鳴曲(ソナタ)より